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2007/7/2 月曜日

ベンチャーキャピタル・サイクル―ファンド設立から投資回収までの本質的理解

Категория: 本・コミック・写真集 — @ 8:04:25

ベンチャーキャピタル・サイクル―ファンド設立から投資回収までの本質的理解 ここ25年あまりでベンチャー・キャピタル(VC)産業の市場規模は10億ドル未満から600億ドル以上へと一気に跳ね上がった。他の投資商品にはまず見られないすさまじい成長ぶりだ。今日この産業を支えるのは数千人にも及ぶベンチャー・キャピタリストたち。彼らはカリフォルニア、マサチューセッツなどひと握りの州に集中する約500ファンドを操っている。しかし大規模産業にもかかわらず、彼らの仕事内容や役割についてはまだ多くの誤解があり、その取引方法はいまだ謎に包まれている。

ポール・ゴンパーズとジョシュ・ラーナーによる『The Venture Capital Cycle』は、明解かつ学究的な調査に基づき、ベンチャー投資ファンドの形態と機能を明らかにした1冊だ。ハーバード・ビジネススクール教授である両者は、その膨大な調査データからVCの資金調達、投資、資金引き上げ方法を分析。アントレプレナー・ファイナンスの歴史的概略に始まり、ベンチャー提携のしくみ、ベンチャー・キャピタリストの損害賠償法、ベンチャー企業への投資時期、資金提供を受けたベンチャー企業の相対的パフォーマンスなどを例証していく。

また米ゼロックス社パロアルト研究所(PARC)に代表される企業内ベンチャーと、独立系ベンチャーおよびその他ベンチャーグループとの興味深い比較もある。ベンチャー・キャピタリストは投資先企業の業界知識とモニター手腕を駆使し、リスクをともなう新規事業に成長資金調達を行う。一般的なのは初期段階投資およびハイテク産業への集中投資だ。また起業家と投資家の間の大きな情報格差による不利益を避けるため、本書では最近とみに採用されている斬新な牽制制度も数例紹介している。

本書のテーマは2つある。まずVCの全行程をわかりやすく1つのサイクルでとらえようという主張だ。このため本書では、資金拠出から投資、モニタリング、投資先企業への付加価値づけ、株式公開、投資家への資本還元、そして最終的な増資新株に至るまでを「VCサイクル」と呼んでいる。投資を成功に導くには、資金調達能力や投資先企業選択も含め、このサイクルの中で1つでもミスがあってはならないのだ。次に著者は長期間現金化しにくいベンチャー・ファンドの特質を踏まえ、10年以上に及ぶ投資家からの資金確保の必要性を主張。成長資金の調達が行われても結果的に投資環境のすみやかな改善にはつながらないと説いている。

VCのプロセスがもっと明らかになれば、ベンチャー企業への長期投資は前にもまして増えるだろうと著者は結んでいる。学術的で十分に裏づけられた調査結果に基づいた本書は、起業家、ベンチャー・キャピタリスト、そして投資家必読の1冊。(Scott Harrison, Amazon.com)
クリエーター:ポール ゴンパース、ジョー ラーナー、Paul Gompers、Josh Lerner、吉田 和男、冨田 賢

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