1942年、ナチスドイツ支配下のフランス、パリでユダヤ人の貴重品を買い叩いて美術商を営むクライン(アラン・ドロン)は、やがて同姓同名のユダヤ人と間違われ、身の潔白を証明するために弁護士(ミシェル・ロンズデール)に協力を求めつつ、もうひとりのクラインを探し回るのだが…。
70年代を代表するフランスの大スター、アラン・ドロン主演の不条理サスペンス映画だが、主人公がユダヤ人に対して非情な男という設定は従来の彼にはない役柄であり、また国家権力に対する批判をそこはかとなく盛り込んだ作品であるなど、彼の新たな挑戦と意欲が十分うかがえるものに仕上がっている。終始クールなタッチは、最後の最後まで息を抜けないほどにスリリング。監督は『暗殺者のメロディ』などの名匠ジョゼフ・ロージィ。(的田也寸志)
クリエーター:レイモン・ダノン、ジェリー・フィッシャー、ジャンヌ・モロー、シュザンヌ・フロン、アラン・ドロン、ジョセフ・ロージー、フランコ・ソリナス、フェルナンド・モランディ、ピエール・ウィリアム・グレン、エジスト・マッキ、ピエール・ポルト

