コンフォート・ウーマン
マーヴィン・ゲイの『Let’s Get It On』が単なるセックス礼賛アルバムではなかったように、ミシェル・ンデゲオチェロのラブ・アルバムと言われている本作『Comfort Woman』も、単なる誘惑を描いた作品ではない。本作の中心的なテーマは肉欲とロマンスだが、ゲイの場合と同様、それらは解放をもたらす力として登場する。
「あなたから自由になりたい」――ディスクの冒頭近くで、ンデゲオチェロはそう歌う。さらに、ボブ・マーリーの「Get Up Stand Up」から反ユートピア的な一節を引用することで、世界の救済というテーマをも打ち出している。本作の音楽的野心は大きく、同じリスナー層を持つ最近のネオ・ソウル・アルバムとは比べものにならないほどだ。何度か現れるダブワイズな手法とロック的なギター・ソロは70年代を思わせるが、本作はゲイやカーティス・メイフィールドの影響にほとんど縛られていない。『Comfort Woman』にはインスピレーションをみなぎらせ、独創性を全開にしたンデゲオチェロの姿がある。(Rickey Wright, Amazon.com)
